当時注目されていなかった自然素材

トラストの創業当時、住宅業界ではシックハウス症候群が問題になっていました。
そんな中、やはり私は、お施主様に安心で快適な建材を提供したいという思いから、無垢材や珪藻土等の自然素材を専門とした施工を始めることにしたんです。

今では自然素材はかなり普及していますが、当時は合板やビニールクロスといった施工効率を第一に考えられた新建材が主流でしたので、実際、自然素材での施工には様々なハードルがありました。

まず材料の仕入れ先や、自然素材特有の特性の把握することから始まります。
そして、最も苦労したのが、職人さんに施工していただくことでした。
例えば、フローリング施工の場合、無垢材のフローリングを貼るのにかかる時間は合板のフローリングと比べて倍以上になります。
要は職人さんからすると無垢材の施工は、「面倒臭い」のでやりたがらないのです。
また、貼った面積に応じて賃金も変動するという賃金体系でしたから、そこからも見直をはじめましたね。
最初は、面倒臭くなるわけですから抵抗する方もいました。ですが、職人さんは、根底ではモノづくりが大好きな人たちです。そして、自分が造ったもので、お客様に喜んでもらいたいのです。
自然素材に囲まれた安心できる住まいを提供したいという思いを大工さんや左官職人さん達1人1人に丁寧にご説明をさせていただき、何度も話しあうことで、最後には職人さんの強い気持ちを感じ取ることもできました。今では、「お客様に喜んでいただけるのなら・・」と嫌な顔ひとつせず楽しく施工をして頂いています。

また、「マンションで自然素材の施工」ということにも、挑戦してきました。
当時は、マンションで無垢のフローリングという施工は、不可能といわれていましたが、
「マンションでも無垢材の家に住みたい」というお客様のニーズになんとか応えたい！と思いました。
集合住宅特有の防音規定をいかにクリアするかが最大の課題です。
何度も職人さんと打ち合わせをし、時には失敗もしながら工夫を重ね、可能にすることが出来たんです。おそらく、業界でも初の試みであったかと思います。

そのような経験があるからこそ、施工力には自信があります。
今後も自然素材リフォーム・リノベーションのパイオニアとして、さらに技術力を
向上していきたいと思います。

代表取締役　塚越岳人